対策・技術 |
概 要 |
適用対象 |
特 徴 |
対象物質 |
土壌ガス吸引法 |
地下水が存在しない地層に揮発性有機化合物を含む土壌ガスを、ブロワーや真空ポンプで吸引し、汚染ガスを活性炭で吸着処理やバイオによる分解処理を行う |
土壌 |
低価格の装置で土壌ガスの汚染源及び拡散防止対策可能。 |
(原位置抽出+処理) |
揮発性有機化合物 |
地下水揚水法 |
汚染地下水を揚水し対象物質を除去する方法。揚水した地下水は揮発性有機化合物の場合は、活性炭・紫外線・オゾン・電気・超音波・バイオなどで回収・分解する。また、重金属の場合はろ過、凝縮沈殿、酸化・還元・中和などの化学的処理、及び電気による分離などを行う。 |
地下水 |
固有技術は水処理技術として確立。
処理後の現地回復が容易で、汚染拡散を防止。 |
(原位置抽出+処理) |
揮発性有機化合物、重金属、油、農薬 |
化学的分解 |
原位置或いは掘削除去した土壌・地下水に鉄粉・アルミ粉・酸化剤・石灰或いは薬剤などを添加し、酸化、還元及び触媒反応等の化学的分解を行う。 |
土壌・地下水 |
比較的効果の大きい処理法。
対象物質の濃度や土質の影響は小。
処理時間は短い。 |
(処理―分解) |
揮発性有機化合物、重金属、PCB |
熱分解 |
掘削除去した土壌・地下水を加熱し対象物質を分解する。通常分解法(焼却法)は800℃〜1000℃で行われる。排ガス処理施設が不可欠である。固定の施設での連続運転が多い。 |
土壌・地下水 |
効果の大きい処理でほとんどの化合物に対応できる。対象物質の種類、濃度および土質の影響は小。短時間の処理が可能。施設は比較的大規模化。 |
(処理―分解) |
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エアースパージング |
揮発性有機化合物による汚染地下水に対して空気を送り込み揮発した土壌ガスを吸引する浄化法。 |
地下水 |
的確に注入した空気の影響範囲を把握すれば、極めて短期間に効率的で恒久的な対策可能。 |
揮発性有機化合物 |
熱脱着・揮発(分離) |
汚染土壌を加熱することより、比較的低沸点の物質を土壌から脱着・揮発して分離する。単純な熱脱着法、水蒸気を用いる水蒸気注入法、低沸点化合物に変換する塩化揮発法がある。 |
土壌 |
土壌中の重金属の濃度を低下できる比較的効果の大きい処理法。複合汚染物の場合の多く適用。短時間処理可。 |
(処理―分離) |
重金属、油 |
土壌洗浄(分離) |
掘削除去した土壌を機械的に洗浄して対象物を除去する。土壌を粒度で分級し、対象物質が吸着・濃縮している画分を分離し、対象物質を洗浄液中に溶解させる。工程は洗浄(水・溶媒)/分級(篩分離・比重分離)/磁力分離/浮上分離の組合せ。 |
土壌・地下水 |
大量の処理が可能で溶媒の種類や条件の選択で複合汚染にも有効。 |
(処理―分離) |
重金属、油 |
封じ込め |
汚染土壌を一般環境から隔離する方法として封じ込めがある。対象物質溶質量の程度により、2つに分類される(遮断型および遮水型)。 |
土壌 |
重金属の対象物質に広く適用可能。 |
重金属 |
封じ固形化 |
汚染土壌にセメント等の固形剤を混合して固形化し、物理化学的に対象物質を安定化する。 |
土壌 |
操作が比較的簡単。
掘削除去後封じ込めに適用できる。 |
(封じ込め前処理−固形化) |
重金属 |
掘削除去 |
汚染土壌を掘削し、外部へ搬出する方法の他、原位置での処理対策と併用される。 |
土壌・地下水 |
汚染された土壌を確実に除去し効果を確認できる。対策期間が短い。
複合汚染にも適用できる場合あり。 |
有機塩素系化合物、重金属、油、農薬 |
化学的不溶化 |
不溶化処理は、主に土壌汚染に各種薬剤を添加/混合し、対象物質を難溶性の物質に変化させて安定化する。重金属に熱処理を行った場合も同様の効果が得られる(ガラス固化法)。 |
土壌 |
操作が比較的簡単、薬剤の選択が重要。
掘削除去後封じ込めおよび現位置封じ込めに適用できる。 |
(封じ込め前処理―不溶化) |
重金属、農薬 |
バイオレメディエーション |
汚染された土壌や地下水を微生物の力によって分解・無害化する対策技術。 |
土壌・地下水 |
原位置に生息する微生物を増殖させ、汚染物分解を促進させる方法(バイオスティムレーション)と、外部から微生物を持ち込む方法(バイオオーギュメンテーション)がある。浄化コストが低く、省エネ性であるが、高濃度汚染には不適合で期間が長い。 |
(微生物による分解処理) |
有機塩素系化合物、油 |
ナチュラルアテニュエーション |
自然条件の中で、土壌・地下水中の汚染物質濃度の自然減衰力を利用する方法。 |
土壌・地下水 |
汚染サイト状況を把握し的確な管理とモニタリングを重ね、自然減衰の能力に委ねながら汚染物質の濃度を人間の健康や環境に影響のないレベルまで下げさせる手法。
浄化対策を一定期間内に適正なコストで終わらせる為の極めて現実的な方法。 |
(自然減衰) |
有機塩素系化合物、油 |